芸人が時事問題をネタにすることは度々論争の素になりがちなのですが、こと芸人界隈で起こった時事問題に関しては、ネタにするフットワークが軽ければ軽いほど反響も大きくなるものです。
先日、オリエンタルラジオの中田敦彦さんが自身のYouTubeチャンネルでダウンタウンの松本人志さんに対して持論を展開した動画が大変話題になりました。
その動画は芸人界隈でも議論を呼ぶ形となりましたが、そんな中でも、中田さんがアップした提言動画をネタにした動画を投稿し、ファンを笑わせる芸人さんもいます。
今回は多くのお笑い芸人がアップした中田さんのパロディ動画の内容や反響についてまとめてご紹介します。
中田敦彦の「提言動画」とは
まず、中田敦彦さんが5月29日に公開した動画「【松本人志氏への提言】審査員という権力」の内容を簡単におさらいしましょう。
この動画では中田敦彦さんが、松本人志さんがお笑いの賞レースで審査員をやりすぎていると批判。松本人志さんがあらゆるジャンルの賞レースや番組の審査委員長やアンバサダーなどのシンボル的ポジションを務めていることに疑問を呈し、中田さんは、
「審査員って権力なんですよ。(中略)これって全部のジャンルの審査委員長が松本人志さんっていうとんでもない状況なんですね」
と指摘しました。
この動画は大きな話題となり、霜降り明星せいやさんや堀江貴文さんなど、芸人や著名人、またファンから賛否両論のコメントが寄せられました。中でも注目されたのは、松本人志さん自身がツイッターで反応したことです。
松本人志さんは5月30日に「テレビとかYouTubeとか関係なく2人だけで話せばいいじゃん。連絡待ってる!」とツイート。
相方であるオリエンタルラジオの藤森さんも「相方へ。」と題したタイトルの動画を投稿し、中田さんの投稿した動画についてのコメントを述べました。
6月8日には、オリエンタルラジオの二人がリモートで共演する形で「オリラジ会議【松本人志氏提言事件後】」と題した動画を公開。
中田さんの提言に対して藤森さんが「一回帰国をしろ!」と言ったり、この騒動で挙がった解散説に対し藤森さんが「今解散したら何するかわからねえだろ」などと述べる場面も。
また、中田さんは今回のコメントが「だから愛ゆえによ。愛ゆえに提言してるわけだから」などと語りました。
この動画に関しては、中田敦彦さんが松本人志さんとの対話を拒否しているように見えるという批判もありました。
「提言」動画をネタにした芸人
今回の動画の一連の反響の中で、中田敦彦さんの動画に対して先にパロディ動画を投稿したのが、「ラバーガール」の大水洋介さん。
大水さんは、まるで中田さんの提言動画を彷彿とさせる語りで、日本テレビの「笑点」への提言動画を投稿。
「司会の春風亭昇太さんの影響力が強すぎる」などと至極当然の内容に対する提言から「山田くんは檻みたいなとこに入れといて勝手に出れないようにして」など無茶苦茶な内容に、
「笑点に置き換えたら面白いというところに気付けるセンスが羨ましい」
「「山田くんの存在が厄介」で腹壊れた」
などとコメント欄での評価の声が相次ぎました。
続いて反応を示したのは「ナイツ」の塙宣之さん。
こちらは「あの件について思うこと」という形の動画を投稿しましたが、中田は中田でも、ジャイアンツの「中田翔」選手についての話でした。そっちかい。
それ以外にも「せいや」=「松原聖弥」選手、「慎吾」=「石川慎吾」選手など、ジャイアンツの選手について述べつつ、「ホリエモン」は本当にホリエモンというオチもあり、野球好きにしか通じない塙さんならではのネタ盛沢山の内容の動画でした。
塙さんといえば時事問題をおかしくモジる「ヤホー漫才」でお馴染みですので、この手のパロディはさすがの一言です。
また、お笑いコンビ「令和ロマン」は藤森さんが投稿した動画をパロディにした動画を投稿しました。
令和ロマンは「あっちゃんへ。」という動画で、藤森慎吾さんの口調や仕草、更には顔パックをボケのくるまさんが真似しながら、「あっちゃん」に対するコメント動画を投稿(ツッコミ・ケムリさんは画面外でツッコミ)。
しかしくるまさんの言う「あっちゃん」は元AKB48の前田敦子さんの意味なのでした。
「さらば青春の光」の二人もこの手の話題に便乗するのはまぁ早い早い。
中田さん、松本さん、堀江さん、さらにはひろゆきさんまで集めてます。どういう内容なのかは動画見てもらったら早いです。
こうして見ると、中田さんの提言動画はお笑い界に大きな波紋を広げたことがわかります。どちらかというと、ネタとして。
現在活躍している芸人の多くはダウンタウンの影響や憧れをもって芸人を志したものかと思われますが、今回の中田さんの提言動画がどう芸人たちに受け止められているかは分かりません。
中田さんは自分の考えを正直に伝えることで、今のお笑い界に新しい風を吹き込もうとしたのかもしれませんが、表立ってそれに同意する芸人がいないのも無理はないですね。
実際今回紹介した動画の数々は、各チャンネルでも再生数を大きく伸ばしています。
ホットな話題に対してフットワーク軽くパロディをすることは視聴者に多く見られる大事な要素ですし、それが芸人界隈の話題であればなおさら。ファンにとってはこの話題を芸人自身がどうイジるかはかなり注目しちゃいます。
お笑いファン内での「内輪ウケ」感は出てきちゃいますが、まぁこのコラムは「楽屋ニュース」なので全然良しです。
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