島田珠代
今やよしもと新喜劇の名ギャグ女優ともいえる方。代表的ギャグは「男なんて、シャボン玉〜」「ボインダンス」など。
2000年代前半は当時はまだ30歳前後と若手の部類でしたが、既に『笑っていいとも!』のレギュラーなども経験しており、随一のギャグ女優としてポジションを確立。壁に突進させられるなどの体当たりギャグもこなすなど、肉体派の新喜劇女優として人気を博しました。
結婚・出産・離婚などもあり、一時期は新喜劇は客演中心となっていましたが、正座員に復帰して以降、現在は『相席食堂』でギャグ「パンティーテックス」がウケたのをきっかけに、全国放送の番組にも呼ばれるなど再ブレイク中ですね。
最近も『有吉の壁』などに登場するなどテレビも新喜劇も現役バリバリ。若い世代の人からも認知度は今でも高いようですね。
むしろ90年代に活躍した当時よりも今の方がパワーアップしている印象しかない…。(笑)
島木譲二
新喜劇の悪役・コワモテ役としてお馴染みで、当時は毎回のように借金の取り立て役で出演。芸名は石原裕次郎が演じた映画『俺は待ってるぜ』の元ボクサーの「島木譲次」役に由来しており、自身もボクサーとして西日本新人王を獲得した経歴があります。
(出典:訃報:パチパチパンチ、吉本新喜劇の島木譲二さん72歳 [写真特集] | 毎日新聞)
代表ギャグといえば「大阪名物パチパチパンチ」。上半身肌になり、胸をひたすらパチパチ叩いて「どーやー!」と演者や観客にアピールするギャグです。
他にも灰皿で頭をたたく「ポコポコヘッド」、一斗缶で頭を叩く「カンカンヘッド」など、様々な体を張ったギャグが売りでした。
また、「あっ、熊や!死んだふりせえ」と他から死んだふりをされるネタや、「しまったしまった島倉千代子」など、コワモテに似合わないダジャレギャグも繰り出すなど、憎めない悪役キャラとして人気を博しました。
残念ながら、2016年12月に亡くなられましたが、島木さんの一部のギャグはのちの2022年にタックルながい。さんが弟分として新たに引き継ぐ形で復活しています。
井上竜夫
(出典:井上竜夫 | 座員紹介 | よしもと新喜劇 | MBS 毎日放送)
新喜劇のおじいちゃん役としてお馴染みで、「竜じい」の愛称で親しまれた俳優さん。「おじゃましまんにゃわ」というギャグ挨拶が有名でした。
また、話を聞いていると思ったら寝てしまい、他の人に頭を叩かれ、「三途の川や~…。」と言う流れがお決まり。
井上さんも残念ながら2016年10月に亡くなられています。
チャーリー浜
登場シーンで「ごめんくさい!」と発するギャグや、1991年にCM出演がきっかけで日本新語・流行語大賞を受賞した「〇〇じゃあ~りませんか」といったギャグがお馴染み。キャラクター人気が高く、特徴的な声と出で立ちで観客を笑わせていた新喜劇俳優さんでした。
共演した芸人からも様々な奇人エピソードが語られるなど、「他人には厳しく自分に甘い」芸人さんとして愛されていました。
2020年3月30日によしもと祇園花月で開催された配信イベントを最後に体調を崩し、その後残念ながら2021年4月に亡くなられました。
桑原和男
(出典:桑原和男 | 座員紹介 | よしもと新喜劇 | MBS 毎日放送)
よしもと新喜劇のおばあちゃん役と言ったらこの人。現役の新喜劇メンバーの中では最年長であり、新喜劇の生き字引的存在として知られています。
座長時代は男性役も演じていましたが、小柄な出で立ちから女性役を演じることが増え、おばあちゃん役の「桑原和子」のキャラがヒットしてからは、宣材写真もおばあちゃんの格好になり、様々な演目でおばあちゃんを演じ続けてきました。
「ごめんくださいどなたですか!」といった登場ギャグや、服をまくって垂れ乳を見せる一人芝居など、落ち着いた口調で小ボケを挟んでいくキャラクターは、新喜劇に安心感を与えてくれた存在だと思います。
2021年の8月の特別公演に出演して以降は、演者としてはあまり表舞台には立っていないようです。かなりご高齢というのもあるとは思いますが、近況が気になります。
中山美保
(出典:訃報:中山美保さん78歳=吉本新喜劇の役者 | 毎日新聞)
90年代当時はよしもと新喜劇のベテラン女優として、様々な役柄をこなしていた方です。
首元のしわを「ネックレスかと思った」といじられるなど、容姿いじりをされることが多い女優さんでした。
90年代ではおばさん役が中心ではありましたが、実は20代から30代の頃は新喜劇のマドンナ役として人気を博した女優さんでもありました。
今でいうところの未知やすえさんのように、マドンナ役の女優さんが年齢を経るといじられ役になるというのは、当時からよしもと新喜劇のお決まりでもありました。
2009年末頃より体調を崩し、残念ながら2017年2月に亡くなられています。
池乃めだか
新喜劇の「ちっこいおっさん」といえばこの人。現在も現役で新喜劇の舞台に立つ御年79歳の新喜劇俳優さんです。
当時から「子供の駄々こね」「(ネクタイの)長さが一緒や!」「よっしゃ、今日はこれぐらいにしといたるわ」「見下げてごらん」のギャグはおなじみのレパートリーとして人気でした。
80年代は猫とサルのケンカなどで間寛平さんと共演することが多かったですが、90年代は間寛平さんも新喜劇を離れていたので、単独でのギャグや他の共演者との掛け合いギャグが多くありました。
平成は遠くになりにけり…
他にも90年代当時で新喜劇で活躍された方はまだまだいらっしゃいますが、私が小学生時代に見ていたよしもと新喜劇のメンバーの方は今思えば、当時主立って活躍していた芸人さんも50~60歳代と結構高齢の方も多かった印象もあります。
主な俳優さんの訃報を聞いたときはとてもショックでしたね。彼らは新喜劇を愛する関西人にとって、いつでも新喜劇に笑いと安心感を与えてくれる存在でした。
もちろん、島田珠代さんや池乃めだかさんなど、まだまだ現役で活躍する方もいらっしゃいます。
ただ、藤井隆さんが元々新喜劇俳優だったことを知らない方も増えてきているのではないでしょうか?
よしもと新喜劇の歴史をさかのぼれば、タケモトピアノのCMでおなじみの俳優・財津一郎さんもかつてはよしもと新喜劇の座長であったのを私は最近まで知りませんでした。
更に言えば、「ごめんくさい」、「大阪名物パチパチパンチ」や「おじゃましまんにゃわ」を、今の10代20代がもう知らないのも無理はないんですよね。
関西人の常識だと思っていたよしもと新喜劇のギャグは、気付かぬ間に常識ではなくなっているものもあるんです。自分も大人になったものだ…時代が変わるのは寂しいですね。
世代交代も、語り継がれてほしい新喜劇
一方でよしもと新喜劇は近年、間寛平さんがGM職となり音頭をとりながら、着々と世代交代しています。
現在の座長は元・ビッキーズのすっちーさんや酒井藍さん、最近はアキ(水玉れっぷう隊)さんや吉田裕さんも座長となり、彼らはそれぞれ個性的なキャラクターやギャグで観客を笑わせています。
また、近年は若手の中でもリーダー制というものが敷かれており、個性豊かな若手メンバーが多く揃いだしてきている状況です。
よしもと新喜劇は常に進化し続けていますが、娯楽がテレビ中心だった90年代に比べると、今の小中学生がよしもと新喜劇を見る機会は少なくなってきているかもしれません。
当時はMBS(毎日放送)以外にも、関西テレビ「なにわ人情コメディ」などの新喜劇の放送枠がありました。また今はTverなど見逃し配信サービスは発達しているものの、最近の小中学生が見るのはYoutube中心で、そうした世代には見逃しで新喜劇を見る、というのはあまり一般的でない印象です。
となると、若い人たちにとっては、よしもと新喜劇で出てくるギャグはちょっと古臭く見えるものかもしれません。そう思われるのは仕方のない部分もありますが、私は少し寂しく感じます。
ただいつか、「ごめんくさい」や「大阪名物パチパチパンチ」を私たちが覚えているように、今の小中学生が大人になっても覚えてくれているようなギャグがまた新たに生まれてきてほしいものです。
辻本茂雄さんの「許してやったらどうや」、すっちーさん・吉田裕さんの「乳首ドリル」はその一つと言ってもいいでしょう。でもそれらが生まれたのも、もう10年近く前の話なのかぁ。
まとめ
藤井隆さんの話から若干話が離れてしまいましたが、今の藤井隆さんの活躍のきっかけがよしもと新喜劇にあるのは紛れもない事実です。
『よしもと新喜劇』を見て無邪気に笑っていた小さい頃が懐かしいなぁ。私は今回、「ナンダカンダ」を聴いてふとそう思ったのです。
ナンダカンダ叫んだって時代は変わっていきますので、「昔は良かった」だなんてことは言わずに、今の時代の新喜劇も、楽しんで観られる人がもっと増えていってほしいですね。
コメント