賞レースのエントリー数増加による更なる激戦化
実績のあるコンビの解散が増えた原因としては、大型賞レースの規模がどんどん大きくなり、更に突き抜けた実績を残す難易度が年々飛躍的に上がっているということ。
「M-1グランプリ」は毎年最多エントリー数を記録していますし、「キングオブコント」も昨年からユニットの出場が認められたことでレベルが上がってきています。
それゆえ、参加する芸人の母数が増えたことから「賞レースをきっかけにTVで売れる」というルートの難易度が明らかに上がっており、一定の実力や実績があってもそこに辿り着く道が見えず、挫折する芸人も増えてきたのではないかと思われます。
また、コンビを解散してピンで活動することを決めても、「R-1グランプリ」に出る場合は「芸歴10年以内」という制限がありますので、そのチャンスを活かす上では早いうちのコンビ解散も選択肢に入りやすくなります。
近年では「UNDER 5」や「THE SECOND」などの新たな賞レースが新設されてきており、そちらでチャンスを掴む機会も増えているとは思います。しかし、まだそれらの大会の歴史が浅い間では、やはり大型賞レースでの結果によって芸人人生を考える芸人は多いでしょう。
舞台やテレビ以外での売れる選択肢
もう一つ、遠因としては、現在は舞台やTVだけでなく、YoutubeなどのSNSで十分な稼ぎを得られるほどの人気を確立した芸人が増えてきたというのもあるかもしれません。
今年解散したコンビで例を挙げると、元「オドるキネマ」のボケ・南さんは、コンビ活動とは別に、16.8万人の登録者を持つYoutubeチャンネル「ニートと居候とたかさき」の一員としても活動していましたし、先述のスタンダップコーギーの三森さんが個人で運営するYoutubeチャンネル「クワカブの部屋」の登録者数11.9万人と大規模なものとなっています。
芸人としての活動の選択肢が増えてきたというのはとても喜ばしいことではありますが、それは一方で、個人でそうしたインフルエンサー的な活動が可能であれば、コンビ活動に無理してこだわる必要がなくなってきている、という言い方も出来なくはないかと思います。
まとめ
性格や方向性の不一致というのは人間である以上仕方ないので、合わない相方とのコンビを無理して続けるよりは、早めに見切りをつけて活動を変えた方が良いのは確かです。
ただ、やはり今年の上半期はネームバリューのあるコンビの解散発表が重なってしまい、タイミングとして他の芸人もそうしたことを考えてしまう流れになった感が否めません。
下半期はお笑い界においても喜ばしいニュースが増えてくれるといいですね。
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